2011/10/04

前例を飲み込む68ピースの裁ち合わせ | Quadratum Cubicum


タングラムを始めとするシルエットパズルの古典を観察すると、その大半は7~10ピースぐらいに落ち着きます。紀元前の「ストマッキオン」でさえ、14ピース。
ところが、スイスのChristian Blanvillainさんによる「Quadratum Cubicum」は、全部で68ものピースを使うそうです。

この数字だけを聞くと、何でもありだろうと思ってしまいますが、その構成を見てみれば、意外と正統派の血を引いていることが分かります。

まず基本のルールは、すべてのピースを使って、同じ大きさの正方形を何個か作ること。実際には、1個・9個・27個のケースが紹介されています。ただし、9個の正方形ができれば、1個は簡単。なぜって、9個を3x3に並べたら、それ全体が1個の正方形ですからね。

そして、ちょっと特別なのが、9個の場合。実は、どの正方形も、バラして組み変えると同じ大きさの正方形3個ずつになるというのです。
ということは、全部で9x3=27個の正方形ができるわけで、なんと27個のケースは自動的に解決していたのですね。どうやら、9つの正方形ができる仕組みに設計の秘密がありそうです。

これはまるで、9種類のパズルが詰め合わせになっているかのようですが、その辺りの詳しい解説は公式サイトをごらんください。そこには、過去の名案を踏まえた上で新しい知見を加えるという、まさに研究者らしい設計手法が見られます。

しかし、惜しいかな、ピースの多さがネックになっているのは事実。
成立背景の面白さを知るためには、かなり突っ込んで答えを知る必要もあり、適切にコメントできるガイド役が脇にいてほしい気もしますね。

なお、本作品は2011年のNob Yoshigahara Puzzle Design Competitionにもエントリーされています。

QuCub
http://qucub.com/

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